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Channel: 音の味わい、人の味わい
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スピーカーのドスン

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最近、「たくさんの機器をいつまでも抱え込んでいるわけにもイカンなぁ」という思いが駆け巡る。
 
「よーし、断捨離だ」という掛け声は日常茶飯事。
 
アンプ類は“能力差”が比較的はっきりしており、おおむね自分のなかでの序列が明確だ。したがって、序列が下のものから放出していけば良いが、スピーカーはそれぞれの良さが違い、いわば横並び状態。しかも、セッティングの仕方によって発揮される魅力まで変わってくるので、「これが、この製品の音」と決めるのが難しい。まさに、服装や化粧で魅力が大きく変化する女性に共通する特性を持っている。・・・となると、変わりばえのしないアンプは男性か。(笑)
 
スピーカー放出の理由を見つけるには何らかの基準が必要であるが、目下のところは「ドスン」の有無をその基準にしてふるいにかけている。「ドスン」とはつまり、低音感である。
 
個人的な嗜好を言えば、「このスピーカーは良い音出すなぁ」と感激するのは主に高音である。女性ヴォーカルの吐息の余韻のひき方だとか、ドラマーがたたき出すシンバルの黄金色の微粒子、さらにはトランペットの天空に伸びていくような高音、弦楽合奏のヴァイオリン群の厳しくもしなやかな絹糸のような高域・・・・・。
今、手元に残しているスピーカーは、どれもがこの基準をクリヤしたものである。
 
などと言っておきながら、「ドスン」がないスピーカーはやっぱり聴き続けるともの足りなくなってくるのも事実。この低音感とはピラミッド型などと言われる音楽的土台の堅固さだ。腰高にならず、ゆったり&どっしりした構えがあってこそ音楽を存分に味わうことができる。
 
低音感を確保するには、まず箱の大きさが問題になる。経験的に、高さが30㎝以下のスピーカーでは、低い音は出ているように聴こえてもどこか無理をしている感じを伴い、ゆったり&どっしりとは違うと結論づけている。であるから、高さ285mmなどと書かれていると、それだけで興味の対象からはずれる。人気のエラックやダリ、ピエガといったところには手が伸びない。
 
手持ちスピーカーでは、RogersLS3/5a)にこの「ドスン」はないが、これは特別なスピーカーなので、例外的に妥協する。
 
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続いて、ASW(OPUS-M/06)。このスピーカーの透明感にあふれたキレのある高域は実に魅力的なのだが、低域は「ドスン」には達していない。Sonus Faber(Concertino)、QUAD11L)あたりも大きさからしたら驚異的な低音を響かせるが、がんばって出している感は否定できない。この手の低音は大きめ音量ならそこそこ満足できるが、中音量以下で鳴らす際にどうしても音楽のスケール感に結びつきにくい。
 
このグループには、サブウーファーを併用して・・・という生かし方もあるのだが、放出候補選定なのでここではオプションは考えないことにする。
 
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対して、Victor(SX-V1A-M)の低音はがんばらなくても出ている感じ。堂々たるものである。新しいKEF(Q300Vup)も、わずかに箱が大きい分、ゆったりした雰囲気を備えていて悪くないが、やや緩いタイプの低音なので、こちらには付属のスポンジプラグを装着し、ダンプドバスレフとして使用中。
 
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続いて少し大き目の小型スピーカーグループとして、CELESTION(SL-6S)、HARBETH(HL COMPACT)、JBL(Ti1000)などがある。「ドスン」に関しては、JBLは文句なし。CELESTIONもスケール感で名をはせただけのことはある。問題はHARBETHで、導入当時からどうももの足りない。箱の大きさからイメージされる音とのギャップがあるのだ。この点で、いつかは手放すことになるかもしれないという予感が膨らんでいる。
 
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といった具合で、入手までの経緯やこだわりを捨て、この線で整理を進めれば、さらに3~4組は減らせそうだ。

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