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Channel: 音の味わい、人の味わい
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北越谷にてお花見とジャズライブ

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一昨日の土曜日、隣町の越谷市まで足を延ばして桜と生演奏を楽しんだ。本来の目的は「カフェ Blossom」さん(タンノイ・オートグラフが聴ける音楽カフェ)でのジャズライブなのだが、その前に“満開”の報が届いている桜見物をしよう・・・そんな企画だ。
 
元荒川の堤に2kmにわたって400本の桜が植えられているという越谷市の桜名所は、北越谷駅が最寄り駅だ。最近整備されたように見える整然とした道路の歩道部分を歩くこと10分。桜が見事な川の堤にぶつかる。
 
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おぉ、これが元荒川か。春日部にある古利根川同様、治水工事のため本流が別のところに造られた昔のままの河川だ。バイパスが造られた旧国道と同様の存在で、ちょっとマイナーな印象が伴う。今では川幅も狭く水量も少ないが、江戸時代には、ひとたび大雨が降れば近隣に大きな水害をもたらすやっかいものだったのだろう。
 
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河川敷ではたくさんの人が花ござやブルーシートを広げ、談笑している。なかには、バーベキューのコンロなどを持ちこんでいるグループも。人混みが嫌いなので宴会スタイルのお花見はやったことがない。家族ではもちろんだが、在籍した職場でもそうした習慣のあるところはなかった。
 
とはいえ桜だけよりも人出や屋台があった方がやはり盛り上がる。縁日屋台の風景は子どものころの記憶とつながって、何となく心が浮き立つものだ。ここにもたくさんの屋台が出ていた。
 
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屋台が途切れる場所まで歩いていくと、屋根付きで仮設のテーブルをセットしている大がかりな店があったので、ここでひと休み。
まずは定番の「焼きそば」と「イカ焼き」。こういう雰囲気の中で食べると旨さが3割増。
 
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調子に乗って「鮎の塩焼き」を追加する。炭火に串を立てて焼いているおやじさん、かの雀鬼・阿佐田哲也氏に似ていて笑えた。表情、髪型がそっくりなのだ。「骨は残さないとだよね?」と聞くと「かーるくイケちゃうと思いますよ~」と軽妙な受け答えで、
まさに阿佐田“小”哲也(こてつや)センセイ。(笑)
昔の屋台にこのメニューはなかったと思うが、買えなかっただけかもしれない。たっぷり振りかけられた塩がカリカリに焼けていて旨かった。
 
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5時を回り、吊るされたちょうちんにも灯が入りはじめた。ライトアップされた夜桜も楽しめるらしいが、こちらはメインイベント優先。駅をはさんで反対側の「カフェ Blossom」さんに向かう。
 
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ドアを開けると、店内のステージにはすでにベースやドラムセットが置かれている。オートグラフは上部がちょっと見えるだけで、今日はお休み。
オーナーのF さんにご挨拶すると、ブログはときどき読んでくださっているとのことで恐縮する。さらに続けて「オーディオはすっかり調子が出てきましてねぇ」と、音を聴かせられないのが残念なご様子。他のお客様のオーダーを取る合間に近づいてきては、
「当初はダブついていたのですが、4年目あたりから良い響きになってきました」
と、装置と部屋のアコースティックの変化などをささやいてくださる。思い通りの音が出ているらしくまことに幸せそうだ。
 
これは、日をあらためて聴きにこなければならないなぁ。
 
Blossomさんからは、毎回ライブのお知らせメールをいただいているのだが、スケジュールの都合や音楽的な嗜好(PA嫌い)などがあり、なかなか足を運べなかった。しかし、今回は筋金入りのミュージシャンの演奏、コルトレーンがテーマとあって、ジャズはわからないのについつい反応してしまった。
クラシックのギター、ヴァイオリンあたりならもっと来られるのだが、ライブを聴きたい派は圧倒的にジャズファンに多いのだろう。
 
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間近で聴くジャズ。
PAを通さない生音が嬉しい。
天井が高く、オーディオには十分な広さの店内だが、ジャズの咆哮にはこれでもエアボリュームが不足か。ブロ友のみなさまの記事を総合すると、北関東のオーディオ界を席巻するおやじsp.さんの再生音圧はこれくらいなのかもしれない。いや、いつも音量ばかりを言うのは失礼だ。再生音のリアリティもきっと・・・。
ともかく、「ジャズはエネルギーのほとばしり」であることを再確認。プレーヤーのみなさんは、ステージが終わったら5キロは体重が減っているのではないだろうかという熱演ぶりだった。
 
<発見その1>
一流奏者の吹くサキソフォンの音はデカい。ビアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)が束になってやっと対等だった。比べるのも失礼だが、ブラスバンドの高校生の吹くラッパとは音量、輝き、芯の強さが別物だ。

<発見その2>
楽器(今回はサックス)の音は、後半になるほど滑らかで美しく響く。これは、聴きなれているクラシックギターと共通の現象だ。
 
<発見その3>
ドラムスの表現の幅と多彩さに気付かされた。名手のわざというべきか。旋律機能を持たないドラムスにも歌があった。
 
<発見その4>
オーディオ装置で再生される音源で聴ける定位は、多分に人為的。実際のライブでは壁の反射もあり、目をつぶるとすべての楽器が混然として聴こえてくる。ライブでの定位感は視覚の影響が大部分といってもいいくらいだ。
 
コルトレーンに因み、難曲「ジャイアント・ステップス」でスタートしたので、終わりまでついていけるかと心配したが、大好きな「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」や「マイ・フェイバリット・シングス」なども演奏されて安心。(笑)
ジャズに関してはモノを言う資格なしと自覚しているが、奏者はいずれもきちんとキャリアを重ねてきた実力派ぞろいで、充実した演奏だったのではないかと思う。
 
客席にはリーダー林さんのお知り合いも多いらしく、リラックスした雰囲気での進行。ジャズの修行においてもエクササイズ(練習)が重要だという体験談には学ぶところが大きかった。
 
オーダーした数種の手作りパンはどれも美味しく、水出しコーヒーの深い味わいとマッチして非日常の世界を演出、格別な一夜を楽しませていただいた。

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