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Channel: 音の味わい、人の味わい
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アナログプレーヤーは生きていたけれど

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6年ぶりに動かしてみたKENWOOD KP770D。
アームの途中に巻かれている紙テープはアルミパイプの鳴きどめ。
聞きかじりの中途半端な知識でこんなことをしていたのは赤面モノである。
 
このところオーディオに関する記事が減っている。興味のあった機器については、ひととおり取り上げてしまったこと、新しい機器の導入が少なくなったことなどがその理由だ。
 
また、比較的新しい機器を手元で鳴らしてみて感じることだが、機器間の音の違いがどんどん小さくなっているように思う。出音は一定の範囲に収れんしており、いまや耳障りな音やとんでもなく異質な音を出す機器はほとんどない。
 
ペア10万円クラスのスピーカー、同じく10万円クラスのプリメインアンプ同士を20年前の製品と比べたら、材料費の値上がり分だけパーツのグレードは抑えられているにしても、技術的な解明がそれを補って音質の平均値はかなり向上していると感じる。だから、重箱の隅をつつくような聴き方をしなければ、どれを選んでもかなり(似かよった!)良い音が聴ける。・・・逆説的だが、これも若い人たちの間でオーディオが盛り上がらない一因かもしれない。
 
したがって、個性的で色合いの明確な「自分の音」を構築しようと思ったら、過去の名品を組み合わせるか、新しい製品でいくなら高いレベルで個性を発揮している高額なものを選ばざるを得ないということになる。
 
と、オーディオ記事が減っている言いわけはこれくらいにして、今日はアナログプレーヤーの話題を。アナログプレーヤー導入の楽しい試みをされたブログのお仲間「Zジジイさん&だいくみやさん」への便乗記事である。(^^; 
 
アナログに力を入れておられるオーディオ愛好家の音源は、まずジャズ系の方が多い。これは50年代、60年代のアナログの名盤がたくさんあることが大きい。次いで、クラシック系の方も相当いらっしゃる。こちらも昔の名演奏家たちの音源を聴くという目的がメインであるように思える。「CD化されたものは音が死んでいる」などの指摘も多い。
 
ひるがえって、我が家のアナログはそれほど力の入ったものではない。アナログの操作感がイイとか、カートリッジの交換による音変わりが楽しいとか、多分に懐古趣味だ。
CDあるいはSACDではまず聴けないという麗しい音が出る“トランペットのムード音楽”や“古楽器によるバッハの演奏”などというレコードもあるにはあるが音源の中心はやはりCDである。
 
そんな片手間アナログなので、使っているプレーヤー(DENON DP-3750)の片チャンネルの音切れが発生してもすぐには手を打たない。
当方がアナログプレーヤー復活工場長殿と認識しているeast_bredさんから、「こうした故障の大半はシェルとアームのコネクター部である」と、アドバイスをいただいたので、接点を磨き直したり、シェルごと別のカートリッジに付け替えてみたりしたが、どうやら不具合の原因はここではなさそう。次はプレーヤーとアンプをつなぐフォノケーブルの点検ということになるが、交換用のケーブルのしまい場所がわからず、といってチェック用に代替品を買うのも無駄だし、ということでこちらはとりあえず棚上げ(放置)。
 
当座のつなぎとして、その棚の隅でほこりをかぶっていたKENWOOD KP770Dを引っ張り出してアンプに接続してみると、6年ほどのブランクをものともせず何事もなく作動。回転にも出音にも異常はないようだ。回転系を持つ機器だが、とくに注油のメンテについて書かれてはいなかった・・・ことにして、使ってみる。
 
DENON機に比べると、わずかに腰の座りが軽いような気もするが、音楽を聴くには支障がない範囲。何より、最内周でアームが上がるセミオート機構がありがたい。これで、滑らかな再生音に身をまかせ、心おきなく眠れるというものである。
 
カートリッジはオルトフォンのVMS20Eというのが付けてあるが、レコードによっては、調子の戻ってきたシュアー(V15Ⅲ)とか、切れの良いエラック(455E)とかも鳴らしたい。だが、これはストレートアームなので、ユニバーサルアーム用の汎用シェルに取り付けた今の状態のままでは使えない。そこでガラクタ箱の中をあさると、かつて使っていたストレートアーム用のシェルが3つ出てきた。
 
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KENWOODの表示に混じってTRIOも1つ。
当時の動きがこんなところにも。
 
これでカートリッジ交換が可能になるが、Zさんが指摘されていたように、アナログ再生に伴う諸作業は細かい。小さなリード線をつなぐ作業の悪戦苦闘を考えると、DENON機の復活を図った方が得策かなとも思えてくる。
 
そもそも、この程度のこだわりならアナログ再生を維持する必要があるのかという疑問も浮上する。うーむ。

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