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Channel: 音の味わい、人の味わい
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試聴アンプ到着

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YARLAND真空管アンプ/TJ34-Pが予定通り配送されてきた。貸出申請期間は8/1~7の一週間。
 
到着時の荷姿はこの通りで、ダンボール箱が厚手のエアキャップシートで包まれている。
 
イメージ 1
 
一皮むくと、製品シールが貼付された外箱が現れたが、けっこう使いまわしされているのか、テープのはがし跡などが目に付く。「購入」となったときは、これが現物ではなく新たに新品が送られてくるのだろうか。まさか、これをそのままお手元に・・・などということはないだろうなぁと、少々不安になる。(メールで確認したところ、これはあくまでも試聴用サンプル機とのことだ)
 
イメージ 2
 
内部パッケージは、製品に合わせて打ち抜いたやや固めのスポンジ。これは中華アンプに共通した方法で、前回のMingDaアンプも同様だった。日本のメーカーだと発泡スチロールが多い。
この梱包材も割れなどが生じており、数件の試聴を経てきたことがうかがわれる。これもメールで確認したことだが、真空管のバーンインは済んでいるとのことだった。
 
イメージ 3
手袋と袋入りのリモコン。
最近のアンプやスピーカーはグロッシーというか、光沢仕上げが増え、
もっともらしい手袋の同梱も多い。
 
中身はこんな感じ。写真の印象ではもっとコンパクトかと思っていたが、パワー管が4本装填されるので、ある程度の大きさは必要なのだろう。後ろに見える標準的なアンプと同じくらいの横幅がある。たいていのインテリアになじみそうな、柔らかな外観は好印象。
 
イメージ 4
 
基本仕様と使用パーツなどは、サイトから拝借して・・・
 
イメージ 5
 
イメージ 6
パーツ類には、JAPAN、UK、GERMANYなど、
オーディオ界ではそれなりにステータスのある国名が並ぶ。
 
現物を見てはじめて気づいたのは、側面の端子。OUTPUTは、サブウーファーを想定したものらしい。XLRの入力対応は、ハイレベルを志向していることを示したものか。
 
イメージ 7
 
パネル上面にあるデジタル表示窓は真空管交換時のバイアス調整用で、これは便利に使えそう。
 
イメージ 8
窓の右下に書かれた範囲内の電圧であることが確認できる。
4本のパワー管(EL34)ごとに測定、表示が可能。 
 
フロントパネルの木目は、カタログ写真ほどきれいではない。あれは、最もきれいに木目が出ているものを写したものだろう。ギターの側板や裏板もそうなのだが、木目の美しさというのは人を引きつける力がある。実購入となるとどんなのが来るのか、大いに気になるポイントだ。
ボリュームや入力切替ツマミの操作感に格別なものはない。わずかに感じられる遊びは不要で、もっとキレのある操作性を求めたいが、ソフトな外観の印象に合わせたのか。
ボリューム、入力切替のほかに、「ファインチューニング」というあまり見かけないツマミがある。どうやら、低音補正のラウドネスに近い働きをするようだ。常時この回路を通るわけではなく、オン・オフが可能なので、トンコン嫌いの人にも受け入れられるだろう。
 
イメージ 9
 これはカタログ掲載のもの。
こうした、はっきりした木目のフロントパネルの方が嬉しい。
 
真空管むき出しというのは、専用のオーディオルームならともかく、リビング使用だと掃除の際に危険きわまりない。オプションの真空管カバーについて問い合わせると、こんなアーム状のものが付属しているのだとか。試聴用ということで添付されていなかったらしいが、こういうこともいいかげんにしない方が良いと思う。まぁ、カバーリングの機能そのものは、あまり役に立ちそうもないが。(^^;
 
イメージ 10
 
製品のプロフィール紹介が長くなったが、機能点検から受けた簡単な音の印象を報告しておこう。
 
今セットされているスピーカー、セレッションSL-6Sは、84.5dBという低能率のスピーカーなので、これがしっかり駆動できれば基礎体力は大丈夫、ということでこのままテストすることにした。
 
まず、そ~っとボリュームを上げ、いっぱいまで回すが、うなりやノイズ感はない。次に、プリのビクターP-L10の出力をAUXに入れて音出し。
押し出し感の強い積極的な鳴り。耳障りなキツさはなりが、高域にキラキラした輝きがあり、「ふだん聴いていないタイプの音で、耳が充血する」という体感が来る。私の耳は、人見知りならぬ音見知りだ。初めての音でかつ私の想定する標準的なバランスの範囲を超えている音にはいつもこう反応する。このアンプの場合は、中高域の押しつけがましさが想定の範囲外か。(笑)
 
この時点では「買わないかもしれんなぁ」の印象。
 
中域にもたつく感じがあるのは、プリの音がかぶっている可能性があると感じ、CDプレーヤーからのストレート入力に変更。シングルアンプでは、プリの力を借りた方が音がずっとしっかりするものが多いが、このアンプは元々力強さに不足はないので、抜けやバランスは単体で鳴らした方が良いように感じる。
 
比較のために、トライオードの300Bシングル、MingDaのKT-90シングルともつなぎ買えてみたが、やはりPPの威力は大きく、シングルアンプはスッキリときれいな音だが、音楽の姿が小づくりに感じてしまう。
オーケストラやジャズをスケールや迫力と共に聴こうとすると、これではPPアンプの圧勝だろう。音量そのものを揃えても、声なり楽器なりの発音体のエネルギーに違いがある。
ただ、32インチテレビに対する57インチ以上の大型テレビの画質のように、大きさの迫力や臨場感は圧倒的だが、細部の描写までくっきりという点が、シングルアンプに比べると甘くなるのは避けられないように思う。
これは、一般論ではなく、リーズナブルなPPであるTJ34-Pの印象としては、の話ということではあるのだが。
 
この比較を通して、300Bアンプの音の滑らかさを再認識。ギターソロや静かなバラードのヴォーカルなどはこちらで聴きたいと思った。一方、堂々たる押し出し、と思っていたKT-90だが、PPの前ではその訴求ポイントが色あせて、少々困ったことになった。(>_<)
たぶん、スピーカーの負荷が大きすぎたために、KT-90が本来の力を出せなかったのだということでこの結果はとりあえず棚上げして、今日はYARLAND/TJ34-Pだ。
 
鳴らし初めて2時間、プリを使わないCDP直接入力の音は耳にもなじんできて、やはりシングルアンプとは異なる世界。音色では300Bシングルにゆずるが、音楽としての訴求力は捨てがたい。やはり両方を手元に置いて・・・と、最初よりは購入に傾いてきた。
 
同じEL34PPを使ったAH!/プロローグ・ワンの音の記憶を掘り起こしてみると、あちらはもっと力ワザのゴリ押しだった。スピーカーとの相性を探り、最も良く鳴らすCDプレーヤーを選択し・・・という楽しみは、このTJ34-Pの方が大きいと思う。
 
まだ数日の試聴期間があるので、このアンプの持ち味をさらに探索してみることにする。
 
で、存分に楽しんでそのまま送り返せばタダで済むのだが、そこから先の楽しみもまたプツンと切れてしまう。やはり、購入を決め、資金づくりの機器整理に励む方が、建設的な未来ということになるのだろうか。

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